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証  し

「恐れることはない、わたしはあなたと共にいる神。たじろぐな、わたしはあなたの神。勢いを与えてあなたを助け、わたしの救いの右の手であなたを支える。」(イザヤ書 41章10節)

 

 病名《くも膜下出血》  2018年6月24日(日曜日)。

 礼拝10分前ぐらいの出来事でした。週報を見ようとほんの少し下を向いた時のことです。嘗て経験したことのない頭の痛みが突然襲い、同時に全身に冷や汗が噴き出るような感じがしました。左手で脇腹辺りをそっと触ってみましたがサラッとしている。頭に左掌を当ててみると、何となく湿り気を感じそれらは異様に思えました。そのあと背中が痛くなり、この細身の私の背中の骨がまるで重なり合うような・・・私はこれ以上教会にいてはいけないと思い、牧師夫人にその旨を告げて帰ることにしました。「綿谷さん、送って行くよ」と心配して何度も言ってくださったのですが、車を置いていくわけにもいかないし「大丈夫と思う」と答えて教会を後にしました。更に途中でマックスバリュ津丸之内店に立ち寄り4点ぐらいの買い物をして帰宅し、這うようにして冷蔵庫にそれらを入れ、そこで初めて夫に「頭が痛くて帰って来たの」と言うのがやっとで、すぐ横になりました。お昼を用意してくれたのですが、とても食べる気分になりませんでした。少しして、お医者さんに行きたいと言いましたらすぐ救急車を呼んでくれて遠山病院へ行きました。内科の医師が「今日は担当の医師がお休みで私は代理です。ごめんなさい」と申し訳なさそうに言いながら「CT」、「MRI」を撮影してくださり、その頃は痛みも少し治まり取りあえず帰宅しましたが、その夜は、まんじりともせず、一体全体この私の身体に何事が起ったのだろう。「神様助けてください。み心のとおりになりますように」と祈りながら少し眠ったような気がしました。その翌朝、朝食を夫といただき、片付けが終わった時でした。先日の遠山病院の医師から再度電話があり、「綿谷さん、大変な病気です。今医大の医師に昨日撮影した写真をみてもらっているのですが、すぐ来ることは出来ますか」と。直ちに遠山病院へ向かいました。写真を見ながら医師が「これは脳動脈瘤です」と。「これは私のですか」、「はい綿谷さんのです」この会話以外なかったように記憶しているのですが。兎に角一刻も早くということで、ストレッチャーに乗せられ、「動いてもいけない、話してもいけない、お手洗いも駄目です」更に「ちょっと待って、手術の医師がいるかどうか電話するから」と聞こえてくる。そして「綿谷さんこれは奇跡です。医師が全員揃っているとのことです」と言うや否やすぐ救急車が出発しました。

 三重大学病院に到着し、手術室に入ったところまでは記憶にありますが、その後気が付いた時はICUのベッドの上でした。正に緊急手術でしたが、私は自分自身がどのような状況の中にいるのかということをその時、否それからしばらくの間あまり理解できていませんでした。ICUに10日間、重症個室に4日間、日に日に回復しその後一般病棟で5日間過ごし7月13日に退院の運びとなりました。看護師さんたちの行き届いた介護に申し訳なく思うほどで、感謝の気持ちでいっぱいでした。

以下は、医師の説明をもとに手術の状態などについて少しお話しをしたいと思います。一旦くも膜下出血を生じると、約1/3の方が亡くなり、救命できても後遺症なく退院できる方は1/5程度です。(残りの方は、程度の差こそあれ、何らかの後遺症を残します)。先ずは出血源を確定するために『脳血管撮影検査』という造影剤とカテーテルを用いた検査を行います。

 血管内手術は血管撮影室で、脳血管撮影に引き続いて行います。患者の体動に影響されず、安全に治療を行い、不測の事態にも対応しやすいため、全身麻酔で行います。まずガイディングカテーテルと呼ばれる直径2㎜程度の管を、脳に行く血管の途中(頚部)まで通します。次に、この管の中を通して、マイクロカテーテルという直径1㎜程度の非常に細くて柔らかい治療用の管を、目的とする部位まで入れます。これらの操作はレントゲンで透視しながら行います。

 主治医の先生はとても穏やかで優しく、いつも私の話をたくさん聞いてくれました。教会の話はもとより、大好きな聖歌『さやかに星はきらめく』を歌った時は、にこやかに聞いてくださり「信仰はとても大切ですね」と言っていただき、とても良い時間を過ごすことができました。

 手術してから今日まで約3か月半になります。先ずは夫と家族に対する感謝。そして、三ヶ嶋牧師をはじめ皆様の篤いお祈りに支えられ今ここにこうして生かされていることを思う時、信仰の大切さを思います。

 

               主よ、諸国の民の中でわたしはあなたに感謝し

               国々の中でほめ歌を歌います。

               あなたの慈しみは大きく、天に満ち

               あなたのまことは大きく、雲を覆います。

                 (詩編57:10~11)

 

                   綿谷 喜久代   姉

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